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August 29, 2004

三菱車が次々炎上の怪

少し古い話題になりますが、7月前後の10日間ほどだったでしょうか、三菱自動車製の車が次々と炎上するニュースが連日のように流されました。ちょうどリコール隠しの問題が大きく取り上げられてた時期です。

最近はどうでしょう?三菱車は全然燃えなくなりました。
いや正確には炎上のニュースを全然見かけなくなりました。連日オリンピックの話題ばかりです。

なぜでしょう?
三菱の車が全部回収されたからでしょうか?
ある日突然全国の三菱車の安全性が落ちて、ある日突然復活したからでしょうか?

そんなわけはありません。

三菱自動車事故報道への疑問
で大西さんや
無菌室育ち3はお堅いのがお好き: ちょっと変じゃない?車が燃えたニュース
で、わに庭さんが素朴に疑問を投げかけていますが、全くその通りです。

要するにマスコミはウソは書かないにしても、恣意的に取り上げる事象を選択することによって、その事象のもつ意味を歪曲してしまう
のです。

この場合、現場の記者やデスク(上司)の胸の内には

「今は三菱問題がホットな話題だから、三菱のことならなんでもニュースになる。警戒しておかないと!」
という心理が働きます。

そして実際現場の記者は、警察署から交通事故の広報資料が出たり、あるいは「警戒電話」(「何か管内で事件事故はないですか」と警察署へ一日何回も電話を入れるサツ担当記者の重要な日課)の時に、
あえて「事故った車は三菱製ではないですか?」と質問するのです。

正直言って、普段なら車一台が炎上したところで、死者でも出ない限りは絶対に「ボツ」である。
それがこういう時期には、まさにマージャンでいう
「イーハン、リャンハンあがる」
といった感じで、ニュース価値がグッと高まり、ボツのはずが全国ニュースにまでなってしまうのです。

ここでさらに重要というか、日本のマスコミの低レベルな点なのですが、
「三菱製だけが燃えているのか?統計的に他社製と比べて三菱の危険性が高いのか」
という科学的な検証は全くなされないのです。(
実際そういう冷静な比較検証記事を見た記憶がない)

こうして確かにニュースは「三菱製の車が炎上した」という客観的事実を伝えているだけなのに、世間に「三菱車は危険」というメッセージを強く植え付けてしまうのです

同様の事例では神戸のサカキバラ少年事件の直後、急激に少年犯罪(のニュース)が増えた時期がありました。
これもおなじことです。
つまり「少年」がホットな話題だから、とにかく少年が起こした事件は、(今までならボツにしていたような程度のものでも)ニュースにしてしまうのです。
その後、どこかの学者か評論家が「統計的には少年の刑法犯罪の発生件数は、増えているどころか減少傾向にある」ということを客観的に指摘してました。

なにか事件が起こると、一部分に顕微鏡をあてて重箱の隅をつつくように徹底的に報じるが、全体像を全く見失ってしまう
というマスコミの習性は、ぜひ知っておくべきだと思います。

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August 28, 2004

キムタクって本当に存在する?

BLOGを初めて立ち上げるので、まずは趣旨の説明から

突然ですが、みなさんは小泉純一郎という人を知っていますか?
あるいは、木村拓哉という俳優を知っていますか?
この問いに対して、NOと答える人は、(日本に住んでいる人なら)ほとんどいないと思います。

では、小泉首相に実際に会ったことはありますか?

今度は大多数の人が NO でしょう。

ではなぜそれらの人々は小泉首相を知っているのか?
テレビや新聞といったマスメディアを通じてでしょう。

当たり前の話なんですが、重要なポイントです。

生身の人間の五感の能力には限界があるので、1人1人が収集できる情報量なんてたかが知れてるし、情報収集にばかり時間を割いていたら、ほかに何もできなくなります。
テレビや新聞は、みなさんの目や耳の代わりとなって、国内のみならず世界中の情報を収集し、伝えてくれます。
現代に生きる人々にとってマスコミなしの生活は考えられないほど、重要な役割を果たしています。

ただそこまで便利で、空気のように当たり前な存在であるだけに無意識に依存してしまいがちです。そこに危険性がひそんでいます。その道具のレンズや鼓膜に「歪み」があったとしたらどうなるでしょう?

多くの人は現在のマスコミに「胡散臭さ」とか、「偏り」とかを感じていると思います。昔のCMのフレーズのように「うそ・おおげさ・まぎらわしい」類の記事が実際にたくさんまぎれています。

極端な話、小泉首相やキムタクは本当に存在するのでしょうか?もしかしたらマスコミが勝手に作り上げた架空の人物かも知れません。

まあそこまでマスコミを疑う人はいないと思いますが、マスコミにだまされないために、あるいはマスコミの正しい力量を知って、うまく付き合っていくためには、マスコミが持つ独特の「歪み」について意識的になっておく必要があります。

私自身も少ない経験ながら実際にマスコミで記事を書いてる身なので、その歪みやトリックを一般の人よりは数多く自覚しているつもりです。
その辺のことを紹介していきたいと思います。

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