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February 23, 2006

歴史アーカイブとしてのYouTube

前回触れたYouTubeに相変わらずハマっている。
そのなかで、若き日のスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツの貴重なお宝映像をたくさん発掘した。素材としてはそれぞれ5分程度のもので、単発で見ても面白いのだが、こうして順を追って眺めていくと、ドラマチックな歴史の流れを感じ取ることができて、かなり感動的だ。

 大前研一氏は、キリスト生誕を境とした紀元前(B.C.)と紀元後(A.D.)になぞらえて、ウィンドウズが初めて発売された1985年を境に、それ以前をB.G.(before Gates),それ以後をA.G.(after Gates)に分けたが、ある世代以下にとっては、こうした”紀元前後”にあたるパソコンの黎明期というのは、もはや「歴史」の中の出来事である。そして「歴史はどんな小説よりも面白い」のだ。

最近はRSSの最新情報フローの洪水におぼれがちなので、たまにはこうした「その時歴史は動いた」を見るのもけっこう楽しい。


1984年 マッキントッシュが世に初めて送り出された時の映像

スティーブジョブスがめちゃ若い!
最初この映像を見たとき、マックをわざわざバッグに入れている意味が分からなかった。パソコンの黎明期の人々にとっては、これだけ高性能なコンピュータがこんな小さなバッグに入ることが恐ろしく衝撃的だった、ということは少し間をおいてからやっと気づいた。

そして、マッキントッシュ自身が話す言葉が印象深い。

I'd like to share with you a maxim I thought of the first time I met an IBM mainframe.
"NEVER TRUST A COMPUTER YOU CAN'T LIFT!"

みなさんに一つの格言を伝えたい。私が初めてIBMのメインフレームを見たときに思いついたものだ。「手で持ち上げられないコンピューターを信用するな!」

これが当時のマックのカタログらしい。興味深いのは、この中でマックへのソフト提供会社の一つとしてビルゲイツが写真入りで紹介されてる

If Macintosh has an extraordinary future ahead of it,It's because of the extraordinary people behind it

もしマッキントッシュに特別な未来があるとしたら、それはこうした特別な人々に陰で支えられているためだ。

この無邪気な賛辞の言葉が後にどれだけ皮肉なものに転じるかは、現代に生きる我々は皆知っている。

翌1985年 「陰」にいたはずのマイクロソフトはマックを思い切りパクったWindows 1.0を発売する。これは当時のテレビCMらしいが、同社現CEOのスティーブ・バルマー本人が登場してる。この人ってこんなエキセントリックだったの?

そしてマック発表時の得意げな態度とは打って変わり、Steve Jobsが負け惜しみのようにマイクロソフトを酷評するこの映像

They just have no taste.They don’t think of original idea.They don't bring much culture into their products.I have a problom with the fact they just make really third-rate products.

マイクロソフトにはテイストが全くない。彼らには独自のアイデアがないし、製品にカルチャーを吹き込んでいない。彼らは本当に3流の製品しか作っていない。

その後、今に続くマイクロソフト帝国の隆盛はご存じの通り

その間にも新たな破壊的イノベーション「インターネット」は産声を上げる(「インターネットが初めて取り上げられたニュース映像」とあるが年代不明)

1997年 いったんアップルを追放されたスティーブは倒産寸前に追い込まれた同社の建て直しのために復帰し、同年、電撃的なマイクロソフトとの提携を発表する(聴衆からの大ブーイングが笑える)。

Steve:Apple lives in an eco system.It needs help from other partners.It needs to help other partners.Relationships that are destructive don't help anybody in this industry as it is today.

スティーブ:アップルは共生システムの中で生きている。他のパートナーからの助けが必要だし、他のパートナーを助けないといけない。今日のような破滅的な関係はこの産業において誰のためにもならない。

Bill:Some of the most exciting work I've done in my career has been the work I have done with Steve on Macintosh. LISA has been a major milestone.It's very exciting to renew our commitment to the Macintosh.

ビル:自分のキャリアの中でも一番エキサイティングだった仕事は、スティーブと一緒にやったマッキントッシュだ。LISAは今でも偉大な記念碑となっている。また新たにマッキントッシュに関われることはとてもエキサイティングだ。

その後、アップルはipodの爆発的ヒットによって完全に蘇る(The very first iPod introduction)

そして今や、「パソコンで覇権を争った時代」は終わりを告げ、梅田さんの言う「あちら側」の世界に主戦場は移り、GOOGLEという新たなエンパイアが誕生した。

 

2015年? 去年話題になったEPIC 2015

この予言が当たるかどうかはたいして重要ではない。過去の少年マンガに描かれた未来予想図と同じように、2005年当時の人が未来をどのように夢想したかの痕跡が残るところに意味がある。

  

【注】
取り上げた映像にスティーブ・ジョブズが多いのは、自分がアップルファンなわけではなくて、単に彼の映像ばかりがやたら多いからだ。プレゼンがうまいのも理由の一つだろうが、常勝ビル・ゲイツとくらべて、栄光と挫折の間を激しく振幅するスティーブ・ジョブズの人生自体がどんなドラマよりもドラマチックなためだろう。

スティーブ・ジョブズ-偶像復活 スティーブ・ジョブズ-偶像復活
ジェフリー・S・ヤング ウィリアム・L・サイモン 井口 耕二

東洋経済新報社  2005-11-05
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February 22, 2006

無料動画サイトYouTubeはすごい!

最近知ったんだけど、YouTubeってまじすごいです。

倖田來未でもミスチルでもDestinyChildでもNorahJonesでも、プロモーション・ビデオ(PV)がタダで見放題。最新の曲もあれば、BeatlesからRollingStonesの当時の映像まである。
世界中のユーザーが自分のもってる動画をどんどんアップしていくサイトだから、メジャーなアーティストだけじゃなくて、マニアックな映像 も山ほどある。
個人的にはTomWaitisが1970年代のBBSに出演した時の映像なんてもうお涙もんです。

Amazon.co.jp:Small Change: 音楽



Tom Waits  Small Change




もちろん音楽だけじゃなくて、サッカー・ワールドカップのゴール集もあれば、早速フィンランド戦の小笠原の57M超ロングシュートもアップされている。(ちなみにベッカムの54Mシュートもここに)

コメディーだって、Mr.BeanもMontyPythonも見放題だし、個人的にはこのBorat(Ali G)がおすすめ。おととしイギリスに旅行に行ったときにホテルのテレビで偶然見てめっちゃオモロいと思ったんだけど、こうしてネットで再会できるとはいい時代だ。

しかし、これだけ見放題で、著作権的にヤバくないの?
と疑問だったんだけど、案の定雲行きが怪しくなってきたようだ。

メディア・パブ: YouTubeにも危機が,TV番組の無断掲載でNBCから抗議を

遠からぬうちにNAPSTERの二の舞いになってしまうのか。

今のうちにダウンロードしておきたいと思ったら、ここを使えば落とせるようだ。

あと音楽系でもう一つおすすめのサイトが、PANDORA
最初に自分の好きなアーティスト名を入力すると、自分の好みに合いそうな他のアーティストの曲を自動的に選んで次々とフルに演奏してくれる。

このサイトも無料だが、レコード会社からすればプロモーションの一手段という位置付けで、気に入ったら曲を買ってね、という仕組みになってるようだ。

ヤフーのMusicStationやネットラジオよりはよっぽどいいので、最近はネットやってるときはBGMでいつもここを聞いてる。邦楽版のPANDRAのようなサービスも登場してくれたらいいと思うのだが、どうなんだろう?



【参考】

YouTubeが面白い3つの理由(今日話したことそのまま) : 小心者の杖日記

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February 19, 2006

2ちゃんねると「捜査2.0」 永田メールの偽造見破る

どうやら2ちゃんねらーの手によって永田議員のメールが偽造であることは確定したようだ。

圏外からのひとこと 永田議員はハメられた!
「404 Blog Not Found 堀江メールの真贋鑑定
音極道茶室 堀江被告送金指示メールがガセだと思う4つの理由
ドクター苫米地ブログ 疑惑のメールは、ヘッダー情報を公表すべきだろう

こういう時の2ちゃんねるの「捜査能力」すごすぎ
この文面からこれだけの手掛かりを読み取れるとはねー。
まさに「wisdom of crowd」(集団の知)の本領発揮!眼玉の多さがモノをいう好例だね。エリート検事や警察のブツ読み捜査員にたった1日でここまでできるだろうか?

これからは捜査当局も「WEB上の公開捜査」を取り入れてはどうか?
いくら捜査員たちが優秀であっても少人数で気付くことには限りがあるだろうし。
ことIT関連の知識にかけては、2ちゃんねらーのcrowdの足元にも及ばないだろう。
容疑者が確定した後の指名手配だけじゃなくて、捜査のプロセスでもWEB上の知恵を活用したら、すごい威力を発揮しそうだけど。

名付けて「捜査2.0」!
あるいはオープンソースならぬ「オープン捜査」でもいいか。

それにしても、なんでこんな怪しげなネタに民主党や永田議員が飛び付いてしまったのか?

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