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December 14, 2006

Winnyよりもこの国のCODEこそ問題では

essaさんの過去のエントリーを通じて、レッシグ氏の至言を発見。

 著作権の保護が、創造性を損なうんじゃない。著作権を守る、という考え方そのものは重要だ。問題なのは、「出来損ない」の著作権保護が、創造性をダメにしてしまうという点だ。

とはいえ、今の著作権法が出来損ないであろうが、裁判官が現行法制度の番人である限り、既存秩序を、民主的な手続きによらずして、破壊しようとする人間を黙認できなかった、という判決も理解はできる。

だからこそ、根源的な問題は、Winnyにあるのではなく、裁判官が拠り所としている、この国を動かしている旧態依然としたCODE(法典)ということになる。

同じくレッシグ氏。

「ピアツーピア(P2P)を使った違法なファイル交換を認めることはできないが、P2Pそのものはネットワークの可能性を広げる重要な技術革新。デジタル 技術を使って、より多くの人たちが文化をつくり、共有できるんだということを、専門家だけではなく、一般の人たちにこそ理解してもらう必要がある。アジ テーション? その通りだ」

皮肉にも、47氏(金子さん)は古いCODEを壊そうとするアジテーションがすぎたために逮捕されてしまった。

80 名前:47 投稿日:02/04/11 00:26 ID:TuaSESIN main/1018434705.html#89
個人的な意見ですけど、P2P技術が出てきたことで著作権などの
従来の概念が既に崩れはじめている時代に突入しているのだと思います。

お上の圧力で規制するというのも一つの手ですが、技術的に可能であれば
誰かがこの壁に穴あけてしまって後ろに戻れなくなるはず。
最終的には崩れるだけで、将来的には今とは別の著作権の概念が
必要になると思います。

どうせ戻れないのなら押してしまってもいいかっなって所もありますね。

610 名前:47 投稿日:02/05/29 23:34 ID:InLwR5pp main/1022679290.html#48
       ミ\      我が名は.”47”     /彡
   へ   ⊂⊃へ   P2Pに真のマターリを /  彡゜+  . 
 /   \∧_∧ )   もたらすものなり /  彡       *
彡     ( ・∀・) ミ\著作権法に異議あり! 彡            :
 彡彡  ( つ つ   \+゜. .    /   彡  ゜*  .        ゜
     丿 )   ミ    \   ゜: /   彡  ゜:     :        *
            \    \   /*  /      *    +
ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  |  |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄彡   ゜+
 ミ              \  ⊂⊃  /             彡
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄\ ∧_∧ / ̄ ̄\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
     ゜: .  /   / ̄ ( ・∀・ ) ̄\.   \ +゜.      ⊂⊃
       */   /   ⊂ 47 ⊃   \    \    ゜+.へ∧_∧ /\
       /    │  / | | |\  │    \ * /  (´∀` )   \
     /    /│  ミ. (__|__)彡  │\.    \゜彡/⊂ ⊂ ) \  ミ
     彡   /゜*│  ミ       彡  │  \   ミ 彡 :+ ( (    ミミ
      彡/.  │  ミ ゜+.    彡  │ +゜ \ ミ            +゜.
          ゜+. \  ミ       彡  /       *    ゜:       :
              \ミ   ゜*  彡/     ゜+   ゜+    *        *
 アリガタヤ  オオ、47サマ          イマコソ マターリヲ  ウサン クセーヨ・・・
  ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧       ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ +
 ( ゜∀゜)( ゜∀゜)( ゜∀゜)      (゜∀゜ )(゜∀゜ )(・∀・ ;) ゜+ ゜.
 (つ  つ(つ  つ(つ  つ     ⊂ ⊂ )⊂ ⊂. )⊂ ⊂ )     *
 ( ̄__)__)( ̄__)__)( ̄__)__)     (__(__ ̄)(__(__ ̄)(__(__ ̄) 

しかし、今回の判決は有罪とはいえ、求刑が懲役1年に対して罰金150万円というのは、検察側の敗北に近い量刑だし、判決文の中で相当に被告への理解を示している点に、裁判官の苦渋が読み取れる気がする。

勝手に裁判官の心情を察すると「被告が法廷にお縄で引かれてきてしまった以上、現行の著作権法を前提とすれば、シロかクロかと言われればクロと言うしかない。だけどこの人を白州にしょっ引いてくる必要はあったの?」

 裁判所からの「この事件は起訴すべきだったかどうか再検討したほうがいいのではないか」という検察批判メッセージを読み取ることも不可能ではない感じの判決です。(元検弁護士のつぶやき

とにかく、日本の法律というのは、赤外線センサーがクモの巣状に張り巡らされ、どんな善良な人間も、少しでも手や足を動かせばカラメ手にあうようできている。ひとたび警察に目を付けられたら最後、どんな微罪だろうと別件だろうと逮捕されてしまう。オウム信者や共産党員だったら、ビラを住宅のポストに入れただけで不法侵入罪で逮捕されてしまうように。

一方で、警察のリソースには限りがある。日本人全員が犯罪者であるならば、誰を何で立件するかは、ひとえに捜査当局の裁量に委ねられている。その恣意性こそが捜査当局の力の源泉であるわけで、逆に例えば警察の裏金問題のように「なにを逮捕しないか」という不作為の側の責任を問われることはない。

話がうまくまとまらないけど、今回の判決は、この国の古めかしいCODE、恐竜のように融通の利かないレガシーシステムの深刻さをあぶり出した点で意義があったと思う。

「エルドレッド裁判」の教訓とは、この問題について、一般の人たちが関心を持つようにならなければ、我々に勝ち目はない、ということだ。著作権問題が多くの人たちの関心を引くようになった時、裁判所もまた、この問題を考え始めるだろう。(レッシグ氏インタビュー)

京都地裁や大阪高裁に、このネット上の大反響は聞こえているのだろうか?

最後にessaさん。まずはこっちを読んでもらって、

現実のこの国には「機長」がいません。文化政策の長期ビジョンを作る責任者はいったい誰なのか。47番の男はいったい誰に自分の認識した危機を訴えればよかったのか。圏外からのひとこと(2004-05-12)

CODEを書く人も、CODEを運営する人もみんなスパゲティ状態にフリーズしちゃってて、民主主義的な手続きなんてものを待っていたら、この国は墜落してしまいそうだ。なんたって1000兆円の借金があっても天下り斡旋すら廃止できない国なんだから。

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December 11, 2006

天下り問題に怒りのバトン

現役官僚のbewaadさんのリクツに(続編も含め)全く納得がいかないので、天下りバトンに参加します。

天下り斡旋全廃のみがとおって平均的な待遇が下がり、その分だけ人材の質が下がるだろう、ということになります。それでもよろしければ、どうぞ。

天下り斡旋制度がなくなれば、キャリア官僚の待遇(生涯賃金)が下がり、優秀な人材が霞が関から逃げ出したり、残った人のインセンティブも下がるんだという。

え、なんで?

まず、誤解している人もいるようなので、議論の出発点として念のため触れておくと、民間委員は決して「天下り禁止」といっているのではない。「天下り斡旋制度を廃止すべき」だと言っているだけ。また「その能力や技術を活かした通常の転職とすべきである」と書いてある通り、優秀なキャリア官僚の皆さんも一般の人と同じように、通常の転職市場を通じて再就職を見つけて下さい、という至極真っ当な提言にすぎない。

不透明な制度を透明にしましょうと、いっているだけなのに、なんで霞が関や関係のない国会議員が反対するのか全く理解できない。

もしキャリア官僚の方が優秀で、民間企業から引く手あまたなら、別に自分の職場に斡旋してもらわなくたって、自分の実力で転職市場を通じてそれ相応の好待遇で迎えられるでしょう。

なのに反対するのは、今の不透明な制度によって不当に高いプレミアム付き報酬をもらっている、これは既得権益なんだと自ら認めているようなものなのでは?それに「自分たちは優秀」というキャリアさんの自画像に反して、要らない人材を無理やり民間に押しつけてるだけなんじゃないの?

引き続きbewaadさんのリクツ

仮に優秀な官僚がいて、とある民間企業がその人材を欲しいとしましょう。その企業にとって、その官僚が20代~40代の働き盛りの年齢で転職してくるのと、役所でしかるべく勤め上げて50代になってから転職してくるのと、どちらがいいかを考えれば前者に決まっています。

官僚の転職市場における価格については、時間の経過による減衰が相当ある。

つまり優秀な人材を霞が関に引き留めておくには、市場価値が下がった50代を過ぎてからも、安心して高い報酬がもらえる天下り先を保証しておく必要があるのだという。

い や、別に官僚だけじゃなくて、世の中の人間全般が、スゴロク上がった50、60代よりも働き盛りの20~40代の方が転職市場で価値が高いのは当たり前でしょう (真のプロフェッショナルな人材は別として)。別にキャリア官僚だけが特別じゃない。なんでそんな官僚個人のキャリア選択を国民の税金や民間企業の負担で面倒見なきゃいけ ないのか?

そもそも、その優秀な人材が組織にとどまって事務次官になれば、例えば最近の旧厚生省事務次官経験者(近藤純五郎氏)の例で言うと、退職までの総報酬は5億1148万円(内退職金 8423万円)だという。これって世間の相場から言えば、十分な額なんでは?

しかもその後に天下り先を転々として、退職後だけでもプラス10億円(大卒男性の平均生涯賃金の3倍以上!)が上乗せされるというんだから、何が「インセンティブを維持するため」だ、といいたくなる。

その他にも、突っ込みどころが満載なのだけどキリがないのでやめとく。今更天下りの弊害について議論するまでもないし。

利害関係者たる現役官僚の発言はあてにならないので、実際に霞が関を飛び出した「優秀な人」の話を聞いた方が参考になる。いずれも元キャリア官僚の民主党国会議員です。

民主党参議院議員 ふじすえ健三: 「天下り」について
京都から、この国のかたちを変える 松井こうじメールマガジン | melma!

念のために申し添えておくと、自分は霞が関を一方的にバッシングするつもりはないし、優秀なキャリア官僚の皆さんにそれなりの待遇改善を含めた処遇が必要だという点には全く異論がない。理不尽な霞が関カルチャーが、優秀な頭脳リソースを浪費している現状は日本全体にとって不幸なことだし、こうした弊害を改善する方向に議論は展開しないといけない。

だけど、国民全体から養分を吸い取る地下茎のような公益法人の問題を含め、天下りのあまたの弊害に目をつぶって、「報酬が下がれば人材の質が下がる」とのたまう霞が関の論理には、ポピュリズムだろうがなんだろうが、やっぱり国民が怒りの声を挙げなきゃいけないんじゃないか?




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December 01, 2006

WEB2.0時代に沈黙は「悪」である

磯崎さん発の議論に便乗。

読んで感じたのは、web2.0の時代において、はっきりしているルールは、「沈黙は悪」である、と。

我々はみんな「参加せよ!」「発言せよ!」「データはすべてWEBサーバーに放り込め」という暗黙の圧力にさらされている。ブログしかりSNSしかりwikipediaしかり。

ちょっと前に芥川賞作家の平野啓一郎さんが自身のブログで書いた文章が、この問題について全てを語り尽くしている。

ご存じない方もいるかもしれないけど、平野さんの著書にパクリ疑惑がもちあがり、平野さんからすればまったくの濡れ衣なのに、wikipediaにも盗作疑惑と書かれてしまった。それに対する平野さんの反論は、WEB2.0に対する見事な考察にもなっている。

ネット以前の世界では、「人の噂も七十五日」である。不当な噂(=情報)を流されても、無視しておけば、時間がそれを淘汰してくれる。・・(略)・・web2.0的な世界はそうではない。そこで情報は、最早誰のものでもない匿名の言葉となり、匿名の知となって、世界中を駆け巡る。誤った情報を放置しておくと、単にそれが何時までも残り続けるというだけではなく、様々な人の手を経て増幅し、増殖する。

 だからこそ、私は今、この6年前の出来事に関して、私自身の言葉を「参照可能な情報」として、新たにネット空間に付け加える必要を感じた。・・(略)・・時が解決してくれる、無視して関わりを持たないといった態度は、今日にまで至る長い人間の歴史の中では、不当な出来事に「巻き込まれた人間」が取り得る態度として、必ずしも消極的だというわけではなく、恐らくは、賢明であり、かつ有効なものと信じられていた。・・(略)・・しかし、それが「変わった」のである。しかも、まさしく今、「変わった」のである。

 web2.0以降、「巻き込まれた人間」は、ただ黙っていても、状況を改善されず、それどころか、悪化させてゆくこととなった。・・(略)・・その状況を不当と感じるならば、自らが積極的に、新しい情報となる言葉を発しなければならない。・・(略)・・梅田氏は、web2.0的世界では、最終的には51対49であっても、「正しいこと」が勝利するのではないかという見解を私に語った。・・(略)・・しかし、情報となる言葉を発しなければ、「正しいこと」であっても、100対0で敗北し得るのである。
平野啓一郎公式ブログ - web2.0的世界において、「名誉」を守るということについて

弾さんが言っていることも同じこと。

もし自分が気に入ったお店のWeb上での評判が異なるのであれば、自分はそう思わなかったという意思表明をしておくのが今の「ネティケット」かも知れません。

現実の政治でも、投票に行かない人は搾取されるように、グーグルのページランクという民主主義の下では、発言しない者はこの世に存在しないに等しい。

自分の名誉や利益を守るためには、誰よりもでかい声で叫び、ウェブという共同落書き帳の上に、絵の具で色を「上塗り」し続けないといけない。それが今の時代の新しいルールなんでしょう。

「ウェブ人間論」はまだ読んでないけど、こうした問題も触れられているのかな?

【補足】
ちょうどこんな記事も。
J-CAST ニュース : ウィキペディア編集方針 西和彦がモーレツ批判

インターネット上の百科事典「Wikipedia(ウィ キペディア)」にある「西和彦」の項目をめぐり、大騒ぎになっている。きっかけは、元アスキー社長である西和彦さん本人が記事の大部分を削除したことだっ た。さらに、同氏は「誰でも編集できる」編集方針を厳しく批判し、「嘘で嘘を塗り固めているようなもの」という挑戦的な言葉も投げつけており、今後も波乱 含みだ。

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